肥満外来について
肥満外来について
肥満は高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病をはじめ、睡眠時無呼吸症候群、脂肪肝、痛風、関節症など多岐にわたる病気の要因となります。基本的な治療は食事改善や運動療法ですが、根気強い取り組みが必要なため継続が難しく、リバウンドも起こりやすいとされています。
その中で近年注目されているのが、科学的根拠に基づいた薬物療法です。糖尿病治療薬として使用されてきた「GLP-1受容体作動薬」の一種である「ウゴービ(セマグルチド)」は、2024年から日本でも肥満治療に保険適応となりました。海外ではすでに抗肥満薬として広く利用されています。
GLP-1はインクレチンと呼ばれるホルモンで、食事摂取後に膵臓のインスリン分泌を促し血糖を下げる働きがあります。「GLP-1受容体作動薬」はこの作用を模倣し、体内で分解されにくいように改良されています。そのため、食欲抑制や代謝促進によって体重減少が期待できると報告されています。実際に6か月で体重の約10%、1年で約17%の減量が認められたデータもあります。
さらに「GIP/GLP-1受容体作動薬」である「マンジャロ(チルゼパチド)」は、従来のGLP-1製剤を上回る減量効果が示されています。
ただし、日本で保険適用となるのは糖尿病患者に限られています。2024年に承認されたウゴービも非糖尿病の方に使用可能ですが、対象は「BMI27以上かつ肥満関連の健康障害が2つ以上ある方」もしくは「BMI35以上の方」と非常に厳しい条件が設定されています。また投与可能な医療機関も大学病院や総合病院などに限定されているため、実際に使用できる患者さんは限られます。
対象となる方
- 20歳以上の方
- BMIが25以上の方
- 処方期間中、指示どおり定期的に外来通院できる方
- 説明を受けた上で同意いただける方
対象とならない方
- 妊娠中や授乳中の方
- 膵炎などの膵疾患、または甲状腺の病気がある方
- 重度の胃腸障害を抱えている方
- がんの既往がある、または強く疑われる方
- 未成年の方
- うつ病など精神疾患のある方
- ピルを服用中の方
- ワーファリンを使用中の方
(禁忌ではありませんが、併用によってピルやワーファリンの効果が低下する可能性があります。)
使用する薬剤
- リベルサス錠(3mg・7mg・14mg)
- オゼンピック皮下注(2mg)
- マンジャロ皮下注(2.5mg・5mg)
※これらの薬はすべて糖尿病治療薬として承認されていますが、日本では肥満症治療薬としては未承認です。糖尿病患者の方には保険診療の対象となります。
使用する薬剤(製剤イメージ)




診察方法
- WEBかTELにて予約(肥満外来)をお取りください
- 初診時に身体計測(身長・体重)・問診・診察を行います。
- 医師が必要と判断した場合採血(肝機能・腎機能・膵機能・糖尿病・甲状腺等)・採尿を行います。あらかじめ検査結果がある方はご持参ください。
- 治療が必要な疾患や、処方が不可となる場合がありますのでご了承ください。
- 保険診療となる場合がありますので、保険証かマイナンバーカードを必ずご持参ください。
- 薬剤開始し1か月後に効果と副作用のチェックのために、診察・検査を行います。その後は症状に応じて検査を行います。
- 6か月間は毎月受診をお願いいたします。その後は症状に応じて定期的に受診していただきます。処方(薬剤)のみの診療は行いません。
※自由診療と保険診療を同日に行うことは混合診療となるため禁止されております。
保険診療を希望される場合は、自由診療と別の日に改めて受診していただきますようお願いいたします。
薬剤の説明
リベルサス(セマグルチド)
- 世界初、唯一の経口GLP-1受動体作動薬です。
- 1日1回1錠起床時にコップ半分の水(120cc)とともに服用します。服用後少なくとも30分間は絶飲食し、吸収のための時間を設ける必要があります。
- まずは、3㎎から開始し、1か月後に副作用がないことを確認し7㎎へ増量します。7㎎が通常量となります。肥満が強い方は14㎎まで増量します。
リベルサスの副作用について
- 胃腸の働きを抑制する作用があり、胃のムカムカ、嘔気等を感じることがあります。また、頭痛や便秘の報告もあります。
- 肥満の方は症状がでにくいです。
- 血中濃度が安定すると症状は起きにくくなります。
- 低血糖はほぼ認められません。
オゼンピック(セマグルチド)
- 週1回の注射薬です。
- 1本に2㎎の製剤が入っており、0.25㎎の場合は8回、0.5㎎の場合は4回、1㎎の場合は2回使用できます。
- 初回治療前にスタッフより注射方法を指導いたします。
- 0.25㎎から開始し、1か月後に副作用を見て0.5㎎へ増量します。
- 最大1㎎/回を使用します。
オゼンピック(セマグルチド)の副作用について
- リベルサスと同様に、悪心、下痢、便秘などが報告されています。
- 重大な副作用として膵炎が報告されております。
マンジャロ(チルゼパチド)
- 唯一のGIP/GLP-1受容体作動薬で、GLP-1作動薬のセマグルチドより更なる減量効果が見込まれます。
- 週1回の皮下注射薬です。
- 1本2.5㎎の製剤と5.0㎎の製剤があります。
- まずは2.5㎎の製剤を週4回投与し、副作用がないことを確認し5.0㎎へ増量します。
マンジャロ(チルゼパチド)の副作用について
- 吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸症状があらわれることがあります。これらの副作用はマンジャロを初めて使用するときや、投与量を増やしたときに特に起こりやすくなります。
- 単剤では低血糖は起こしにくいと言われています。
費用
治療薬の料金(すべて税込) 2025年6月16日現在
初診料 | 2,910円 |
再診料 | 750円 |
採血・採尿料 | 6,600円 |
リベルサス3㎎(30錠/月) | 9,900円 |
リベルサス7㎎(30錠/月) | 19,800円 |
リベルサス14㎎(30錠/月) | 29,700円 |
オゼンピック注射(2㎎)1本 | 16,500円 |
オゼンピック用注射針(14本/袋) | ※ 550円 |
ウゴービ皮下注 0.25mg SD (4本/月) | 16,000円 |
ウゴービ皮下注 0.5mg SD (4本/月) | 24,000円 |
ウゴービ皮下注 1.0mg SD (4本/月) | 36,000円 |
ウゴービ皮下注 1.7mg SD (4本/月)※ | 44,000円 |
ウゴービ皮下注 2.4mg SD (4本/月)※ | 60,000円 |
マンジャロ2.5㎎(4本/月) | 16,000円 |
マンジャロ5㎎(4本/月) | 32,000円 |
マンジャロ7.5㎎(4本/月)※ | 40,000円 |
マンジャロ10㎎(4本/月)※ | 48,000円 |
マンジャロ12.5㎎(4本/月)※ | 56,000円 |
マンジャロ15㎎(4本/月)※ | 64,000円 |
・4本/月として約3か月分となります。マンジャロは不要です。注射用のアルコール綿は無料でお渡しします。
※マンジャロ7.5㎎以上、ウゴービ7.5㎎以上をご希望の方は、お電話にて予約の上ご来院ください。
注意事項
以下の同意をいただいた方のみ処方いたします。
- 未承認医薬品等(異なる目的での使用)
リベルサス・オゼンピック・マンジャロは、2型糖尿病の治療薬として厚生労働省に承認されています。
肥満症の治療目的での処方は国内で承認されていません。 - 入手経路等
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。 - 国内の承認医薬品等の有無
国内では、ウゴービ(セマグルチド)というGLP-1製剤が、肥満症の治療薬として国内で承認されています。 - 諸外国における安全性等に係る情報
GLP-1受容体作動薬の注射製剤がアメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満治療薬として承認されていますが、
諸外国でも美容・痩身・ダイエット等を目的とした使用は承認されていないため
重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。 - 医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。