肥満(症)外来について
肥満(症)外来について
肥満は高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病をはじめ、睡眠時無呼吸症・痛風・脂肪肝、変形性膝関節症などの多くの疾患の原因となります。肥満の治療は食事・運動療法が基本ですが、地道な努力が必要なため継続が困難でありリバウンドも多いと言われています。
すでに糖尿病の治療に用いられている、「GLP-1受容体作動薬」の「ウゴービ(セマグルチド)」は今年(2024年)わが国でも肥満治療に保険適応になりましたが、諸外国ではすでに抗肥満薬として広く用いられています。
GLP-1はインクレチンと呼ばれるホルモンの一種で、食後に小腸から分泌され、膵臓からのインスリン分泌を促して血糖値を下げるはたらきがあります。「GLP-1受容体作動薬」はGLP-1と同様の作用を持ち、体内で分解されにくくしたもので、食欲を抑制するはたらきがあります。
これらのエビデンスのある薬剤は残念ながら日本では糖尿病患者の患者さんのみ保険によって投与可能となっております。今年日本で承認された「GLP-1受容体作動薬」ウゴービは糖尿病がない方にも投与可能ですが、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病をもち、BMI 27㎏/m2以上でかつ2つ以上の肥満に関する健康被害を有するか、BMI35以上というかなりハードルの高い設定となっており、保険適応が可能となる患者さんにはかなり制限が設けられています。
対象となる方
- 20歳以上の方
-
BMI≧25の方
(日本肥満学会のガイドラインにおける肥満症診断基準値) - 薬を処方する間、決められたとおりに外来を通院することができる方
- 説明と同意をいただいた方
対象とならない方
- 妊娠中、授乳中の方
- 膵炎などの膵臓疾患、または甲状腺疾患の方
- 重度の胃腸障害がある方
- がんの既往がある、または強く疑われる方
- 未成年の方
- うつ病などの精神疾患の方
経口避妊薬、ワルファリン、甲状腺ホルモン薬などを使用している方は、薬剤によっては効果や吸収に影響する可能性があります。お薬手帳をご持参いただき、必ず診察時に医師へお申し出ください。
使用する薬剤
- リベルサス3㎎、7㎎、14㎎
- マンジャロ皮下注 2.5㎎、5㎎
※いずれの薬剤も糖尿病の治療薬として認められていますが、肥満治療薬としては認められておりません。2型糖尿病の治療として、医師が薬剤の適応があると判断した場合は、保険診療となることがあります。肥満治療を目的とした適応外使用については自由診療となります。
診察方法
- WEBかTELにて予約(肥満症外来)をお取りください
- 初診時に身体計測(身長・体重)・問診・診察を行います。
- 医師が必要と判断した場合採血(肝機能・腎機能・膵機能・糖尿病・甲状腺等)・採尿を行います。あらかじめ検査結果がある方はご持参ください。
- 治療が必要な疾患や、処方が不可となる場合がありますのでご了承ください。
- 保険診療となる場合がありますので、保険証かマイナンバーカードを必ずご持参ください。
- 薬剤開始し1か月後に効果と副作用のチェックのために、診察・検査を行います。その後は症状に応じて検査を行います。
- 6か月間は毎月受診をお願いいたします。その後は症状に応じて定期的に受診していただきます。処方(薬剤)のみの診療は行いません。
※自由診療と保険診療を同日に行うことは混合診療となるため禁止されております。保険診療を希望される場合は、自由診療と別の日に改めに受診していただきますようお願いいたします。
当院の特徴
- 体組成計(inbody580)を用いて、定期的に体脂肪量、体筋肉量などの体組成を測定し、体組成を確認しながら治療を進めます。体組成をモニタリングすることで、現在の状態を確認しながら治療を進めることができます。測定は診察料に含まれます。
薬剤の説明
内服薬
リベルサス(セマグルチド)
- 経口GLP-1受容体作動薬です。
- 1日1回1錠起床時にコップ半分の水(120cc)とともに服用します。服用後少なくとも30分間は絶飲食し、吸収のための時間を設ける必要があります。
- まずは、3㎎から開始し、1か月後に副作用がないことを確認し7㎎へ増量します。7㎎が通常量となります。肥満が強い方は14㎎まで増量します。
リベルサスの副作用について
- 胃腸の働きを抑制する作用があり、胃のムカムカ、嘔気等を感じることがあります。また、頭痛や便秘の報告もあります。
マンジャロ(チルゼパチド)
- GIP/GLP-1受容体作動薬で、減量効果が見込まれます。
- 週1回の皮下注射薬です。
- 1本2.5㎎の製剤と5.0㎎の製剤があります。
- 通常は2.5mgから開始し、4週間投与した後、5mgへ増量します。その後は、効果や副作用などを確認しながら、医師の判断により用量を調整します。
マンジャロ(チルゼパチド)の副作用について
- 吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸症状があらわれることがあります。これらの副作用はマンジャロを初めて使用するときや、投与量を増やしたときに特に起こりやすくなります。
- 単剤では低血糖は起こしにくいと言われています
費用
治療薬の料金(すべて税込)2025年8月1日現在
| 初診料 | 3,300円 |
| 再診料 | 1,100円 |
| 採血・採尿料 | 5,500円 |
| リベルサス3㎎(30錠/月) | 9,900円 |
| リベルサス7㎎(30錠/月) | 22,000円 |
| リベルサス14㎎(30錠/月) | 33,000円 |
| マンジャロ2.5㎎(4本/月) | 18,000円 |
| マンジャロ5㎎(4本/月) | 36,000円 |
| マンジャロ7.5㎎(4本/月)※ | 44,000円 |
| マンジャロ10㎎(4本/月)※ | 55,000円 |
・注射用のアルコール綿は無料でお渡しします。
※マンジャロ7.5㎎以上ご希望の方はお電話にてご相談の上ご来院ください。
注意事項
以下の同意をいただいた方のみ処方いたします。
-
未承認医薬品等(異なる目的での使用)
リベルサス・マンジャロは、2型糖尿病の治療薬として厚生労働省に承認されています。肥満症の治療目的での処方は国内で承認されていません。 -
入手経路等
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。 -
国内の承認医薬品等の有無
国内では、GLP-1受容体作動薬であるウゴービ(一般名:セマグルチド)が、一定の条件を満たす肥満症の治療薬として承認されています。 -
諸外国における安全性等に係る情報
GLP-1受容体作動薬の注射製剤がアメリカ食品医薬品局(FDA)で肥満治療薬として承認されていますが、諸外国でも美容・痩身・ダイエット等を目的とした使用は承認されていないため重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。 -
医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。